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2020年上半期読んで良かった本ベスト5【5 / 43冊】

ブログの移行に伴い、本記事も移行してきました。2020年上半期読んでよかった本リストです。

読みたい本探しにご利用ください。

実用書なら「マネージャーの~」が一番オススメで、技術書なら「MaaS」「Linuxの絵本」がよかったです。

読んでよかった本ベスト5

マンガ恋する株式相場!-ゼロからわかる!投資入門-

株情報雑誌のZaiで連載されていた「女子高生株塾」が終了し、新しく連載が始まったマンガが、本書である。初心者向けなので、ROE等の基礎の基礎から説明が始まり、株の仕組みについてしっかりと学べる。前作との違いは、株以外にも広く触れているところである。REITは前作でも触れられていたが、仮想通貨や金などは新しく説明がされている。おそらく、以前の連載時よりも景気変動が大きいのと、仮想通貨の登場によって、株以外の投資先にも世間の注目が集まってきたからだと思われる。ネット情報で右往左往するよりも、まずは本書を片手に色々投資してみたほうが、学びも多く、楽しく投資できると思う。入門者にはぜひ読んでほしい本。前作と並んで超良書。

ヤバい経済学-悪ガキ教授が世の裏側を探検する-
超ヤバい経済学

経済学者が統計の知識を使って、世の中の「変なこと」を調査する本。相撲や教師の不正、犯罪者と中絶の関係などなかなか触れにくい部分に切り込んでいる。統計データを使えば、隠された多くの情報が浮き彫りになると同時に、いかに人がインセンティブによって行動しているかがわかる。また、統計データを見ると、世の中の人々がいかに主観で物事を判断しているかも痛感する。本書では無駄な研究と言っているが、正しい情報分析の視点を持てるという点で非常に身になる本である。何よりも内容が面白いので、超オススメ。

科学的な適職-4021の研究データが導き出す 最高の職業の選び方

「満足度」で職を選ぶという当たり前ながら今までになかった画期的な本。前作同様に研究結果が多数含まれており、体系化もされているので、非常に読みやすい。多くの人は、職業選びという重要な局面で、なぜかみんなが重要な要素を聞かずに判断をしてしまうという問題を抱えているという。また、仕事の選び方も無意識に「市場の成長性」「楽さ」等の満足度を高めない要素で選んでいることも多い。これらの間違った考え方=バイアスから逃れるために、研究結果を交えて正しい仕事の選び方を教えてくれる内容となっている。唯一解の職業を教えてくれるわけではないが、仕事という人生のほとんどを捧げているものに対して、これほどまでに曇った目で見ていたのかと気づかしてくれる本。超良書。

マネジャーの最も大切な仕事-95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力-

超大規模研究の結果から、チームメンバーのモチベーションに影響する要因を調べた本。最も影響する要因は、タイトル通り「小さな進捗」であるが、他にも「人間関係」や「サポート」等のモチベーションと相関していた要素が挙げられている。データで定量的に影響度がわかることと、実践しやすい形で書かれているので、モチベーションを高めるために今何が必要かすぐにわかる。Googleのマネジメント調査と重なる部分も非常に多く、1つずつ実践することで、最高のチームに近づくことができる。モチベーション管理が体系化されており、マネージャーは必読書。

その他読んだ本

マンガ日本と世界の経済入門

経済に関する内容を極力わかりやすく伝えるために、マンガでインフレやリーマンショック、ビットコイン等について書かれた本。話題の経済ニュースは一通り理解できるくらいには幅広く解説されており、他の本への導入としても非常に良い。内容もすっきりしていて入門書として最適。

父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話

ギリシャ危機の際の財務大臣が、娘に経済についてわかりやすく解説するために書いた本。「経済は絶対に専門家任せにしてはならない」というメッセージとともに、初心者にわかりやすく解説している。歴史上、成功した国はほとんど戦争ではなく、経済の活性化により繁栄しており、いかに経済が重要かが説明されている。経済の話の章では、格差に関する暗い現実にもしっかり触れられており、デフレや借金が八方塞がりでいかに脱出が難しいか説明されている。後半は謎の熱い語り調で、最終的には「全ての人間がロボットを持ち、テクノロジーを民主化させる」という壮大な意見を述べている。前半は有用だが、後半はもはやエンターテイメント(笑)。

日本でいちばん大切にしたい会社

法政大学ビジネススクールの教授が、障がい者雇用等の社会貢献にも力を入れている会社に感激して、それらを広めるために書いた本。全国的には名前も知られていない、日本理科学工業というチョークのメーカーや伊那食品工業という寒天メーカー等が触れられている。日本では、全体社員に対して一定数の障がい者を入れないと追加の納付金があるにもかかわらず、障がい者を雇う会社は少ない。そんな中でも、社員の7割が障がい者の会社や、地味な分野なのに企業以来増収を続けている会社など、素晴らしい会社が紹介されている。それぞれ、社長に強い信念があり、社員と強い絆を結ぶために多くの工夫をしていることがわかる。マネしにくい部分も多いが、ぜひお手本にしたい会社。

今君に伝えたいお金の話

村上ファンドの村上世彰が学生向けに投資について説明するために書いた本。投資の基礎的な内容が書かれていて非常にわかりやすい。あくまで投資を推奨するというポジションにあるので、投資がいかに良いかを語る内容になっているが、今の日本の現状を見ると、少し大げさに書くくらいで丁度良いかもしれない。「お金は血液のようなもの」というのは定番なセリフではあるが、初めて学ぶ人には非常にわかりやすいメタファーであると感じた。村上世彰自身は非常に借金が嫌いなのにもかかわらず、ファンドを作りたいがために借金をしたという話があり、お金で世の中を動かすということはこういうことかと感じた。

漫画バビロン大富豪の教え

マンガによって古代から伝わる大富豪の教えについて書かれた本。本当に基本である、「収入の一部を貯金しろ」「資産を増やせ」といった内容だが、ストーリーと一緒に読むことで一層身に染みる。本で書くと、胡散臭くて説教臭い内容になってしまうところが、マンガによりエンターテイメントに昇華されている。子供のうちに読みたかった本。

おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密

おカネに関することを学ぶクラブを結成し、中学生に対して外部講師が教える姿を小説にした本。登場人物の女の子の設定が非常に特徴的で、親の職業が「高利貸し」「地主」「パチンコ」という社会的に評価の低い仕事なのである。おカネに関するクラブなので、もちろんおカネの稼ぎ方も話し合い、「良い・悪いおカネの稼ぎ方」について話し合う。自分とは関係のない分野だと思っていたものが、読んでいるうちにこの哲学な問いにどっぷり入り込んで悩んでしまう不思議な本。最終的には、「世の中に富を生み出す職」が素晴らしいという結論に至るが、その過程をぜひ体感してほしい。

【技術書】

コンピューター&テクノロジー解体新書-ビジュアル版-

機械・電子部品に始まり、CG技術まで様々なテクノロジーについて解説されている本。図解は一目見て理解しやすいので、電子系に興味がある人は一読しておくと他の分野への理解の助けにもなると思う。特に面白かったのは、電子インクの仕組みであり、通電により色付きのマイクロカプセルを移動させているのは意外であった。メカニズムを理解すると、ページ移動時に全体が黒くなったり、液晶と比べて若干反応が遅い等の問題が発生する原因も納得できる。気になる部分だけつまみ食いして読むのがオススメ。

世界を変える100の技術(日経テクノロジー展望 2020)

5G、固体電池、電子決済等のニュースでは聞くもののあまりよくわかっていない事柄について、最先端でどこまで進んでいるかがわかりやすく解説された本。最新技術についてわかりやすく解説されているだけでも価値があるのに、最新動向までわかるのは至れり尽くせりである。5Gも未来の技術としてちやほやされているが、実際は高周波のせいで減衰が発生するため、スタジアム等の狭い空間での使用に限られる電子決済も、国の規制緩和が背景にあったため急増したことが説明されている。このように、メカニズムと動向がわかれば、世の中の曖昧な情報に踊らされなくて済むようになる。

VRコンテンツ開発ガイド 2017

VRのハードやソフトの仕組み等の基礎知識から、実際のソフトウェアの使用まで浅い所から深いところまで書かれた本。個人的には、仕組みや世の中のハードウェアの動向が非常に面白かった。従来はレンズを2つ使って普通の画像を3D化していたので、レンズ間の調整が非常に難しかったが、画像をゆがめるというコロンブスの卵的な発想で解決したため、急速にVRが浸透し始めている。VRだと画面が近くて広いので、レンダリングに負荷がかかる。そこで、画面の端の解像度を低くしたり、頭の動に応じて画像を動かすことでレンダリング負荷を下げるといった工夫も、技術の進歩の経過を感じられて非常に面白い。

MaaS-モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ-

MaaS(モビリティ・アス・ア・サービス)、つまり自動車やバス、電車、レンタカー等のあらゆる移動手段がサービス化する未来について書かれた本。Uberでのタクシー配車やGoogleMapでの多様な条件でのルート案内もMaaSの一種である。
フィンランドやドイツ等では、GoogleMapのようなアプリでタクシーも呼べたり、決済もまとめてできるサービスを提供していたりする現状の車の利用効率4%という数字をもっと効率的にするためにあらゆる社会実験が行われている。特に車産業のない国にとっては、「車の利用効率up=国益増加」なので必死に取り組まれている。非常に未来感があり、面白い。

アクチュエータ工学入門

アクチュエータという「動くもの全て」が含まれる学問分野について書かれた本。モータから油圧、圧電・静電等、力を与えるものが全て含まれている。研究というと、現象をベースとして取り組むことが多いが、本書は「動かしたい例に対してどのようなアクチュエータが適切か」という開発的な視点で、研究者が書いたという痒いところに手が届く本。個々のメカニズムは置いといて、全体像を見ることで比較がしやすく、実用的である。

マンガでわかる機械学習

機械学習に関する情報は世の中に満ち溢れてきているが、体系的に学ぶには本で学ぶのが良い。一番初めの入門としては、マンガがオススメである。回帰・識別等の基礎的な手法が紹介されており、基本を身に着けるうえで、とてもわかりやすくまとまっている。ただし、数式はがっつり出てくるので、線形代数に関する知識がある程度身についていることが前提となっている。理論を学ぶには適切だが、まず機械学習と触ってみたいという人は、ネットのスクール等のほうがモチベーションは維持しやすいと思う。

コンピュータはなぜ動くのか-知っておきたいハードウェア&ソフトウェアの基礎知識-

内容はコンピュータの基礎知識だが、初めてIT業界に入った人には本書はおすすめしない。どちらかというと、仕事を進めるにつれて自分の基礎的な知識不足を感じ始めた人にこそ読んでほしい本。コンピュータの構造であるCPU・メモリ・IOを電子回路を使用して説明していたり、アセンブリやデータ構造について説明されている。それぞれが過剰なまでに非常に丁寧に説明されているので、本書を本書を読むことで漠然とした知識不足は感じにくくなると思う。内容は珍しく貴重ではあるが、実用性は低め。

マンガでわかるCPU

CPUという非常に狭い分野について書かれたマンガ入門書。CPU内が制御装置と演算装置で構成されていることや、メモリのRAM・ROMについても説明されている。ただ、わかりやすさと実用性に欠けている印象があり、マンガ自体もあまり面白くない。特別にCPUに集中した内容が知りたいなどの理由がなければ、個人的には別の書籍をオススメする。

OSの仕組みの絵本-ソフトウェアの動きがわかる9つの扉 OSの役割を手軽に学ぼう!-

OSというとどこについて書かれた本かわかりにくいが、PCに関する入門書。カーネル・シェル等のOSの仕組みを知る上で知っておきたい用語の説明や、意外と知らないBIOSの役割と仕組み、CPU・メモリ・HDD等の超入門的な部分まで扱っている。PCに詳しくなくて、IT系の分野に進むのであれば、一番初めに手に取ってほしい本。超入門書。

Linuxの絵本-サーバーOSが楽しくわかる9つの扉-

Linuxを触るうえで必要な情報が詰め込まれている。これ一冊で全て網羅とはならないが、Linux系の本は非常に初心者のハードルが高いので、他の本で学ぶ前に一読することをオススメする。シェルの仕組みやディレクトリ構造、基本的なコマンドや.bashrc等の実行順が説明されている。これらはLinuxを触るうえで常識ともいえる知識だが、丁寧に解説してくれている本は少ないので、非常に貴重である。Linuxを学ぶ上では、良い入門書であり、まとまっていて非常に良書。

スパコンを知る-その基礎から最新の動向まで-

ニュースにはなるものの、意外と知らないスパコンに関する知識が学べる本。計算用サーバを触る人であれば、入門書として最適である。CPUをGPUと組み合わせる「ヘテロジニアス」や「クラスタ型」等、ちゃんと最近技術について学べるのが良い。スパコンと普通のPCの違いは、PC間のメモリ共有が必要であることである。「共有メモリシステム:メモリ1に対して多CPU」「分散メモリシステム:メモリ1対CPU1」等の構造も知っておきたい。MPI(標準化プログラミング規格)等も触れられており、基礎知識はざっと触れられる入門者向けの良書。

TCP/IPの絵本-ネットワークを学ぶ新しい9つの扉- 第2版

TCP/IP系の書籍の中では非常に入門に特化している内容。絵も合わせて説明してくれているので、初めて通信分野に触れる人にはオススメ。個人的には、他の書籍を読んだ後だったので、特に得られるものはなかった。TCP/IP系の書籍の中では一番読みやすいと思う。

インターネット技術の絵本-Webテクノロジーを知るための9つの扉 ネット初心者のための基本ガイド-

インターネットの初心者向け解説書。広く浅く書いているのと、内容が古いため、実用性にも体系的な理解をするにも少し物足りない。他の書籍を見る前に流し見しておくと、全体像のイメージをつかむのに使えるかもしれない。絵本シリーズはすぐ読み終わるので、一度書店で全シリーズを大まかに見てみると良い。

絵で見てわかるITインフラの仕組み

サーバのアーキテクチャや仮想化の仕組み等が図を使って説明されている。サーバ関連の知識は図解で学ぶと理解が早く、本書もわかりやすい。ただ、文章が専門的な表現が多く、入門としてはやや難しい内容となっている。他に簡単な本を一冊読んだ後だと図解のわかりやすさと表現の正確さにありがたみを感じると思う。

UNIXという考え方-その設計思想と哲学-

UNIXの設計思想のルールを箇条書きで説明しながら書かれた本。一番重要な項目は定理1の「スモール・イズ・ビューティフル」である。UNIXといえば、コマンド同士でデータを渡す「パイプライン」が特徴的であるが、まさにこれが定理1の例である。複合的な機能は一度きりであれば便利だが、管理が非常に面倒になる。また、試作スピードも低下する。プログラムを要素分解して、上手くコピペで組み合わせるのが優秀なプログラマであるといったことが書かれている。後半に色々細かい思想も書かれており、迷いがちな部分で良い判断をする助けになる。

プログラムの絵本-プログラミングの基本がわかる9つの扉-

プログラミングに関して、基礎を学びたい人向けの本。実際に言語が決まっている場合は、そちらで勉強することをオススメするが、まだ言語未定の場合は本書も使えるかもしれない。スタックメモリとヒープメモリの違いは意外と解説書が少ないので、勉強になった。おすすめ度は低め。

プログラムはこうして作られる-プログラマの頭の中をのぞいてみよう-

「sunaba」という、日本語で学べるプログラミングを使用したプログラミングの超初心者向け入門書。プログラミングの勉強時には、アルゴリズムと同時に英語で書かれた関数を覚える必要があるため、大変である。本書では、関数を日本語化することで、同時に覚えることを極力減らしてアルゴリズムの勉強に集中できるようにした本。私が多少のプログラミング知識があるせいかもしれないが、普通にPython等で勉強したほうが早く習得できると思われる。やっていることは一風変わっていて興味深いが、プログラミングの参考書だとは思わないほうが良い。

プログラムはなぜ動くのか-知っておきたいプログラミングの基礎知識- 第2版

プログラムというと、アルゴリズムやライブラリの話にばかり目が行きがちだが、本書はその基礎となる「ビット」や「ビルド」について書かれた本。ただチュートリアルに沿ってプログラミングをしていると、ビルドが何をしているのかわからないまま進めてしまうだろう。しかし、中身を知っていないといずれ謎のコンパイルエラーに悩まされる。そうならないためにも、ビルド = コンパイル(.c → .objに変換) + リンク(.objをつなげて.exe作成) という内部のプロセスを最低限知っておきたい。

新・明解C++入門
独習C++ 新版
ロベールのC++入門講座

読みやすさで言うと、独習>新・明解>ロベールの順。本を読みなれていない場合は、新・明解が3色印刷なので、読み進めやすいと思う。ロベールに関してはネットに中身が既に投稿されているので、一度サイトにアクセスしてみると良いと思う。

プログラミング言語C++

上記3冊は入門書だったが、本書はかなりレベルの高い内容になっている。C++開発者が書いた本であり、どのような使い方を想定して開発されているかを知ることで、正しい使い方を学ぶことができる。ただし、内容が難解であり、私もほとんど理解できていない。

Effective C++-プログラムとデザインを改良するための55項目- 第3版(ADDISON-WESLEY PRO
Effective Modern C++-C++11/14プログラムを進化させる42項目-

両方作者は同じで、「C++をいかに効率的に書くか」について書かれた本。テンプレートや抽象化等の機能については理解できても、一般的にどのように書くとわかりやすいのかは入門書では教えてくれない。そこで、本書のように、デファクトスタンダートを学ぶことによって、スムーズに迷いなくコードを書くことができる。C++自体が若干他の言語に比べてわかりにくい部分があるので、このような書籍はC++では特に実用的である。

おわりに

ということで、2020年上半期の読んだ本まとめでした。一番を選ぶなら、「マネージャーの~」ですね。分厚い本だけど、本当に内容がわかりやすくてよかったです。多分、一生モノの知識になると思う。

別の年の読んでよかった本は下記にあります。こちらもどうぞ。