Youtube登録者5000人突破!!

2020年下半期読んでよかった本ベスト5【5/28冊】

ブログの移行に伴い、過去に読んでよかった本リストを移行しました。内容としては再掲になりますが、良ければご覧ください。

「幸福になりたいなら~」を含め、認知行動療法の関連書籍は生きやすさを上げるためにも本当に読んでよかったと思います。オススメ。

読んでよかった本ベスト5

バカでも稼げる米国株投資

タイトルも内容の口調も荒い。しかし、内容はとにかく堅実な投資を紹介していて、万人に紹介できる本。

顔出ししてない分、マイホーム投資や生命保険といったニセ投資に対して全面的に否定できる潔さがある。「生命保険に入ったら一人前という呪い」は名言である。これを読めば間違った投資は絶対始めないはず。良書。

お金の大学

ユーチューブで大人気の「両学長」が利益度外視で出版した本。

内容の密度も高く、とにかく図解が多いので、わかりやすい。全面カラーでここまでイラストがついてこのわかりやすさで解説した本は未だかつてないはず。個人的には、特に国民保険に関する章が良い。読者のお金に関する不安を取り除いてくれるので、安心して読み進められる。超良書。

MaaS-モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ-

MaaSという抽象的な言葉がニュースで飛び交っているが、それが具体的に何を言っているかがわかるようになる本。

何も知らない状態だと、MaaS=UberやGrabなどの「ソフトウェアと乗り物が便利になる」のがメインと思いがちである。しかし、MaaSの本当の最終ゴールは「全ての乗り物がシームレスに繋がること」である。今の交通機関が決済も含めて一つのアプリでまとまったらどれだけ便利か、そんな明るい未来が見える本。

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない-マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門-

ネガティブ思考やうつ病は、「認知の歪み」が原因である。そして、その治療が「認知行動療法」である。認知行動療法は抗うつ剤よりも効果があり、再発率も低い。それも当然で、時間をかけて精神病を根本から治すからである。

基本的に「認知の歪みに気づく」「感情を客観視する」「マインドフルネス」「価値観に沿った行動」のステップで行われる。うつ病でなくとも、人生を心地良く生きる上でぜひやっておいたほうが良い。いくつか同系の本を読んだが、本書が一番オススメ。何度も振り返りたい超良書。

サブスクリプション

サブスクリプションモデルのビジネスについて解説した珍しい本。ここで言う「サブスクリプション=定期購読」ではなく、データ分析による改善を繰り返して、顧客満足度を高める仕組みのことを指す。

サブスクリプションモデルに切り替えた企業は、S&Pの8倍のスピードで成長しているという。ここでポイントなのが、「サブスクリプションの何が良いか」でなく「従来の売り切りが何が悪いか」を見ると本質が見えてくる。

従来の売り切りモデルだと、予算が立てにくく、広告もたくさん出さないといけない。しかも売上を上げるには、製品による体験でなく、マーケティングのほうが重要になる。これが全てサブスクリプションなら解決するのだ。

本書では、アドビとネットフリックスが特に取り上げられている。どちらも完全にサブスクリプションモデルであり、大成功した企業だ。顧客満足度を高めることを目指した結果、圧倒的に良いものができるのは明らかだろう。

今後ビジネスをやっていくなら、知っておきたい本。特に、広告モデルの時代の終焉には気づいておきたい。良書。

その他に読んだ本

【お金】

キミのお金はどこに消えるのか

「中国嫁日記」の作者の書いた漫画。お金に関する内容を、専門家をバックにして書いている。

ただし、内容は基本的なもので特に修正は必要なかったとのことである。日本のデフレは「税金を無駄にするな!」という消費への圧力によるものである、といった話を通して、経済と政治に関して易しく説明されている。

「若者が投票に行かないのは、短期的には利益があるかもしれないが、長期的には深刻な問題である」という説明は、わかりやすくて的を得ている。

【テクノロジー】

CPUの創りかた-IC10個のお手軽CPU設計超入門 初歩のデジタル回路動作の基本原理と製作-

電子回路の基本が学べる本。

学校教育と実践で回路図を読むのとの間では、大きな隔たりがある。本書は、「オームの法則」以外の専門用語を知らない人でも読み進められるように、とにかく簡単な表現で回路図の勉強ができるように書かれた本。

古い本だが、入門書としては今でも最適。絶妙なゆるさもクセになる。

人工知能は人間を超えるか-ディープラーニングの先にあるもの-(角川EPUB選書 021)

人工知能の研究に長年携わってきた先生が、人工知能の過去と未来について語った本。

「人工知能」という抽象的なものの見方では、未来は語れない。過去の技術と「ディープラーニング」がいかに画期的かを知ることで、現実的な未来予測ができる。人工知能悲観論に惑わされないためにも、読んでおきたい本。

ディジタル作法-カーニハン先生の「情報」教室-

通信からハードウェア、プログラミングまでITの基本知識をまとめた本。大学の情報科の一般教育を本で学んでいる感じ。

全体の基本を学んだからといって何か新しい仕事ができるようになるわけではない。しかし、全体像を掴まないと、何を知らないのかがわからない。ある程度ITエンジニアとして業務を経験してから本書に立ち返ると、色々発見が多いはず。硬い文章で若干読みにくいのは残念。

プロセッサを支える技術-果てしなくスピードを追求する世界-(WEB+DB PRESS plusシリーズ)

いかに現在までCPUが高速化されてきたのかが学べる本。

ムーアの法則では、単純に2年で2倍のCPU能力になると言われている。しかし、その背景には多数の処理技術が含まれている。内容はかなり専門的だが、マルチコアや順次処理の仕組みは知っておくと、プログラミングなどの最中に迷うことが少なくなる。

CGのための物理シミュレーションの基礎

CGと言われると、幅広い知識が必要である。全部を学ぶには時間がかかるし、何も学ばないと、ソフトウェアで何が起きているのかわからない。本書は、固体から液体、弾性体まで幅広くカバーした解説書。

行列計算なども含まれていて、全体像を掴むには最適。ただし、本書で個々の内容を理解しようと思うと、説明が少なくて難しいかもしれない。

ペンギンが教えてくれた物理のはなし

生物学者が、「トラッキング」というセンサをつける手法で動物を観察した結果について書いた本。

一年で地球一周している鳥や、太平洋を横断する魚がいること。そして、生き物の速度までもわかる。

例えば、マグロは最高時速100km近い速度で泳ぐといった通説がある。しかし実際測ってみると、せいぜい7kmであることがわかっている。これは測定することで初めて分かった事実である。

大量の鳥や魚をトラッキングすることで、速度の影響因子もわかる。体が大きく、かつ体温が高いと基本的に速く動ける

近年ディープラーニングが一躍を浴びているが、データ分析が以下に役に立つかがわかる本。良書。

コンピュータサイエンス図鑑-決定版-

パソコンの構造からプログラミング言語、通信まで網羅した図鑑。

図鑑の割には意外と詳細まで書かれており、経験のあるエンジニアでも新しい発見があるはず。

ただし、情報が詰め込まれている代わりに、説明が省略されていたり、専門用語が使われていたりと、あまり易しくない。本書で全体を俯瞰して、わからない所は追加で調べる位が丁度良い。

【料理】

料理の四面体

料理の基本的な要素は、「火」と「水」「油」「空気」の加減だけである、という本。

世界中を回った著者が、各国の料理を紹介しつつ、料理の原則を語る。例えば、フレンチのソースは肉汁がもったいないから、再利用するだけであってフランス特有のものではない。ほぼ同じ調理法でも、国によって違う名前がついてたりする。

油の量が増えれば、焼き物は天ぷらに変わる。火が遠ければ、焼き物は燻製に、そして干物になる。水も空気も同じである。逆に、この4原則を変えれば、新しい料理の発見にもなるという。こんなことを言っているが、著者は料理人ではないというのも面白い。

パリ在住の料理人が教える一生ものの定番スイーツレシピ
パリ在住の料理人が教える誰でも失敗なくできるスイーツレシピ
パリ在住の料理人が教える作りおきできるフランスのお惣菜
パリ在住の料理人が教えるフライパンでできる本格フレンチレシピ
パリ在住の料理人が教えるもらって嬉しいチョコレートレシピ

ニコニコ動画、ユーチューブの音フェチ動画で大人気のえもじょわが書いたレシピ本。

レシピの内容は特別な所はさほどないが、とにかく画像がキレイなのがテンションを上げてくれる。はじめにレシピ本全体の基本となる内容が書かれているが、その内容がまとまっていてわかりやすい。

フランスのお惣菜とフレンチレシピは、今まで敷居の高かったフランス料理のハードルを下げてくれて、料理の視野が広がった。

【健康】

まんがでわかる最高の体調

最高の体調という、「全ての不調は炎症で起きるのだ!」という本をコミカライズした本。最高の体調自体がとても良い内容なので、マンガでもわかりやすくてよかった。

ただ、元の本では体系化が強調されていた気がするが、マンガでは実例を交えるために個別のテクニックにフォーカスしている気がする。その分、全体像は掴みにくくなっているが、一歩踏み出すには良いのかもしれない。「最高の体調 実践版」って感じ。

認知行動療法トレーニングブック 第2版
認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで-ジュディス・ベックの認知行動療法テキスト- 第2版
いやな気分よ、さようなら-自分で学ぶ「抑うつ」克服法-

ネガティブ思考やうつ病は、「認知の歪み」が原因である。そして、その治療が「認知行動療法」である。認知行動療法は抗うつ剤よりも効果があり、再発率も低い。それも当然で、時間をかけて精神病を根本から治すからである。

基本的に「認知の歪みに気づく」「感情を客観視する」「マインドフルネス」「価値観に沿った行動」のステップで行われる。うつ病でなくとも、人生を心地良く生きる上でぜひやっておいたほうが良い。読みやすさと実用性の高さから「幸福になりたいなら〜」がオススメ。何度も振り返りたい超良書。

特に「生きるに値する人生を創造する」という章タイトルは、まさに認知行動療法を一言で表している。

【ビジネス】

新しい分かり方

デザインに関する本。いかに私たちが推測で物事を判断しているかがわかる。

例えば、トンカチと打たれた釘があるだけで、私たちはその関係性を予測する。そして、次のページでトンカチがバナナに変わったら、「バナナで釘を打った」というありえない想像をする。こんな感じで、経験が物事の判断に影響していることが画像でわかる本。

使いやすいデザインを考える人におすすめしたい本。文章も少なくてすぐ読めるし、何より面白い。

あと個人的に好きな話が 天気予報士は「良い天気」とは言ってはいけない という話。農家など、晴れ=良い天気ではない人もいるからだそう。こういった視点の切り替えが、良いデザインに繋がるのかな、と感じさせられる。

1日ごとに差が開く! 天才たちのライフハック

偉人たちの習慣をまとめた本。抽象的な話をする自己啓発本はなかなか人生を変えてはくれない。しかし、ライフハックであれば話は別である。すぐ始められるため、意外と簡単に人生が変わる。

物理学者のファインマンは、食事を限定して一日の選択回数を減らしているスティーブ・ジョブズやオバマも、服の選択をしない。他にも面白いのは、鳥山明は背景を書くのを楽するために建物をすぐに破壊するという話もある。

自己啓発本では「何をするか」ばかりが重要視されがちである。しかし実際は「何をしないか」が重要であることに気付かされる

いつも「時間がない」あなたに-欠乏の行動経済学-

「足りない」と人はそれに注意が向いて、集中力が低下してしまうという内容の本。タイトルから時間の話と思いがちだが、実は何においても欠乏は起こりうる。

忙しいと、締切ばかり気にして仕事に集中できない貧乏だと、将来への不安で何もやる気が起きない。特に貧困層は、今の生活に気が向きすぎて借金をし、将来の自分になんて注意が向かない。

このように「欠乏」というのは、人間のバランス感覚を失わせる。不幸が重なるのは、これが原因である。不況が来たら、不安から仕事の生産性が落ちる。逆に好況だと生産性は伸びる。

つまり、いかに調子が良い状態をキープするか。そして、ドン底に落ちて負のループに入らないための準備をしておくかが重要なのである。

自分の時間を取り戻そう

ちきりんが著書の「生産性」という点について深堀りした本。生産性と聞くと、仕事のテクニックや時間を圧縮することを想像しがちである。しかし、本質はそこではない。

生産性のポイント一つ目は「何をしないか」である。ワーキングマザーは、家事を外注してしまえばいい。フリーランスは安い仕事は断ればいい。

生産性のポイント二つ目は「リソースを無駄にしないこと」である。車や広い家の維持で生活が苦しくなる人は多い。最近で言えば、リモートワークは通勤時間という時間リソースが急に手に入ったことになる。

これらで手に入った時間は、ゆったり過ごしても良いし、働いてお金に変えても良い。この自由に使える時間こそが「自分の時間」なのである。

クリティカル進化論-OL進化論で学ぶ思考の技法-

「OL進化論」という4コマ漫画を使ってクリティカルシンキングについて学ぶ本。

クリティカルシンキングとは、その名の通り批判的思考のことである。クリティカルシンキングを実際に学ぶには、バイアスにハマった例を見るのが一番早い。そして、4コマ漫画は思い込みや勘違いがオチになることが多いので、教材として非常に相性が良いのである。

文章だけで学ぶと「はいはい、知ってる」となりがちだが、漫画で日常的な例を出されると「確かによくある、、」と身にしみる箇所は多い。

おわりに

ということで、2020年下半期の読んだ本まとめでした。かなり良書揃いなので迷いますが、一番を選ぶなら、「幸福になりたいなら~」ですね。認知行動療法は一生付き合っていく技術になると思う。

別の年の読んでよかった本は下記にあります。こちらもどうぞ。