Youtube登録者5000人突破!!

【オススメ本】2021年下半期読んで良かった実用書ベスト5

2021年上期に読んだ21冊の実用書の中から、おすすめを紹介します。ぜひ本探しにお役立てください。

下半期に読んでよかった本BEST5

不老長寿メソッド-死ぬまで若いは武器になる-

パレオさんの書いた健康本。ストレスと休息を繰り返すことで、人は若さを維持できるという話。

トンデモ本に思えるが、非常にエビデンスも多く、地中海食を食べたり運動をしたりと、まぁ間違いないだろうという結論に落ち着く本。

面白いのが、理論である。人間は前向きなストレスがかかり、その後に休むことで若さを維持できるという。

実際、ポリフェノールやカプサイシンの健康効果は現状説明がついておらず、本書ではこの理由を軽微な身体ストレスによる健康効果であるとしている。

運動やスポーツ、新しい人とのコミュニケーション、勉強や熱中できる趣味は全て軽微なストレスである。スーパーエイジャーはほぼ必ず熱中できる趣味を持っているらしい。

ただし、ストレスを与えるだけでは駄目である。上司からの圧力などのコントロール感のないストレスは避けて、自分で決めたストレスをかける。そして、ちゃんと休む必要がある

休むときのポイントは、時間を決めて予定通り休むことである。そのためにも、まずは生活リズムを整えることから始めよう。

理論が統一されてて、知識がつながる感覚が非常に気持ちいい。超良本。

私たちは子どもに何ができるのか?

教育系ジャーナリストの書いた本。子供の非認知能力(いわゆるソフトスキルと呼ばれる能力)を伸ばすことの重要性について語っている。

まずいちばん大事なのは、子供の慢性ストレスを解消することである。どれだけ教育投資をしても、ネグレクトや虐待による慢性ストレスには敵わない。

そして、子供の慢性ストレスは親の慢性ストレスに起因する。親の余裕がなければ子供と良好なコミュニケーションなんてできない。まずは親が余裕を持てるように、金銭的・時間的な介入が必要である

良好なコミュニケーションがあった上で、更に上を目指すなら、「知的刺激」を増やすことである。頻繁な会話や絵本、遊びのある環境が望ましい

基本はこれだけである。早期教育なども結局はストレス解消と知的刺激による成果である。教育投資がもてはやされがちだが、非認知能力のほうが将来の収入や健康との相関もある。

しかも、親が適度に子どもを放置することで、子どもは「自分は常に親の管理下ではない」と学び、自分だけで楽しむことを覚える

結局の所、親が無理せずに、いかに子どもが伸び伸びと育てる環境を提供してやるかが大事なのである

ミスしても評価が高い人は何をしているのか?

安全工学といういわゆる失敗の科学の専門家の書いたミス対策本。

タイトルの答えは簡単で、失敗から学ぶ人はミスしても評価が高い。じゃあどうすればよいのかというのが一番の肝。

まず、多くの人は謝罪の仕方を間違えている。多くの人は、真摯な対応を見せ、謝罪をすればミスは帳消しになると思っているが、そうではない。

謝罪は、「説明→謝罪→対策」の順に行うのが正しいやり方である。

まず、何を間違えたのか、原因は何なのかを説明することが必要である。芸能人の謝罪会見で、謝っているのに全くこちらの怒りが消えないのは、これが原因である。

次に謝罪である。ここは単純で、責任を感じて被害をかけた人に謝ればよい。

最後に対策である。再発防止を必ず行うことで、自分以外の人にも恩恵が生まれる。その結果、ミスをしたのに成果になり、結果的に評価が上がるという仕組みなのである。

上記は重大なミスに対する事後対応についてだったが、軽いミスに対して気をつけたいのが「もみ消し」である。悪意のあるもみ消しでなく、「すぐ直せば誰も気づかない」という考えに注意したい。

重要なのは被害があるかであり、ミスを周知させるだけで全く被害が出ないことも多い。「まずは共有」のクセをつけておくだけでも、ミスを軽くできることは覚えておきたい。

ネクスト・ソサエティ

ドラッカーが1992年に書いた未来予想。自筆の文と質疑応答が交互に入っている。

一番濃く書かれているのはIT革命についてである。近年急速に発展したテクノロジーはどこに行くのか?いつ革命が起きるのか?、その答えは過去を見ればわかる。

第一次産業革命は、蒸気機関によって始まった。しかし、本当の革命はその50年後の鉄道や電報の発明によってもたらされた。

第二次産業革命はコンピュータの発明で始まった。しかし、マニアの間のおもちゃでしかなかった。実際に革命が起きたのはその50年後のインターネットの発明だった

では今はどうだろうか?AI、仮想通貨、バイオテクノロジーはあくまで導火線でしかない。何かきっかけが起こることで、爆発的な革命が起こる。我々がやるべきは、知識を蓄えてそのイノベーションに乗り遅れないようにすることである。

最強の集中力-本当にやりたいことに没頭する技術-

「ハマるしかけ」という本を出版してHooked Modelで一躍有名になったニールイヤールの最新作。英語タイトルは「indistraction(注意散漫)」であり、いかに注意散漫を防ぐかを解説する。

まず、よく言われる「テクノロジーは注意散漫の原因だ」というのは手段しか見ておらず、問題の本質が見えていない。テクノロジーに限らず、友人や漫画も注意散漫の原因になりうる

自分を見つめなおして、本当の原因を探ることを本書では勧めている。注意散漫は、何かが不足しているから起こる。本当に大事なものは何か、自分の嫌なものは何かについて自分と向き合うことが最も大事である。

特に大事なのは「自分のスケジュールは自分の価値観を反映しているか?」である。もしあなたが家族や友人との時間を大切にしたければ、スケジュールにいれることだ。大事なことからスケジュールに入れないと、時間はすぐに過ぎてしまう。

子育てでも同じで、子供を強制的に叱るより、価値観を反映した行動をとれているかを話し合うことを勧めている。特に現代の子供は自立性を奪われていることで高ストレス化に置かれているので、子供の意見を聞いて自分で決めさせることが重要であるとのことである。

ちなみに、話題になった意志力は出版バイアスによる誤解であり、十代の反抗期は科学的には存在しない(先進国以外では十代は平和な時期である)とのことである。あと、スマホの見過ぎによる問題は、1日に5時間以上の場合のみであり、そんな家庭は既に問題があるとのことである。

その他読んだ本リスト

人事の超プロが本音で明かすアフターコロナの年収基準

年収=能力の高さではない!年収に応じた要求能力は違うのだ!って話。

年収を上げるには、マネジメントや戦略が大事なので、課長や部長には何の能力が求められるかをしっかり考える必要がある。「頑張る」の方向について考えさせられる本。

自己肯定感を上げるOUTPUT読書術

書評Youtuberのアバタローの書いた本。

コンセプトとしては、「成功するための読書」だが、内容としてはマッチョなものではなく、かなりゆるくて初心者向けである。

本人も読書が苦手だったことも語っており、読書とは成功するために無理して読むものではなく、食事のように無理のない習慣にすることであると言っている。

内容としては、「無理せずに続く読書をしよう」の一言に尽きる。OUTPUTも無理せず続くコミュニティが勧められている。

個人的に面白かったのは、本の選び方である。著者はウォーレン・バフェットの投資方法を選書に応用して、下記の3つに当てはまる本を選んでいるらしい。

・自分が理解できるレベルの内容であること
・信頼性が高いと判断できる根拠があること
・経年的に価値が下がりにくい内容であること

その結果、古典に行き着いているというのも納得できる。

読書をお金に変える技術

めっちゃ本を出している著者の一冊。

「とにかく本を読んで行動しろ」の一言に尽きる。ただ、乱読やスキミングなどを勧めており、とにかく色々読むことが推奨されている。

結局のところ、成功と試行回数が比例するだけで、読書自体はさほど重要ではない。ただ、試行の後押しになってくれる本を読めば、成功にも一歩近づくだろう。

プロセスエコノミー

物の制作過程も売り物になるし、色々いい事だらけだよ!っていう本。

今は品質の良いものが世の中にあふれていて、機能面で差別化するのは難しい。そこで、appleのようにストーリーを加えることで、比較できない唯一無二の存在になれる。それによって「愛着」という付加価値がつく。

ストーリーは時間をかけてしか生まれないので、制作過程も公開しようというのが本書の意見である。

例えば、オバマはスピーチで親近感を持たせるために自分の生い立ちから語り、「yes, we can」で聴衆と仲間であることを伝えた。

ホリエモンの著書「ゼロ」では、生い立ちから語ることで意外な親近感が生まれ、ベストセラーとなった。

これは大衆誘導だけの話ではなく、You Tubeで絵描き配信をする人や、オンラインサロンでプロジェクトの進捗を伝えるのも含まれる。

変化の激しい現代で、消費者との長い付き合いは何よりも価値がある。結局は個人ならYou Tubeが一番かなーとは思うが、発信の大事さを再認識させられる本。

まんがと図解でわかるドラッカー

こどもドラッカーのことば-成果をあげる力が身につく!-

13歳からわかる!プロフェッショナルの条件

ドラッカーの子供向け本。要約されているのでとても読みやすい。特に「13歳から〜」が良かった。

ドラッカーの基本は、「成果を目指し、個性を活かす」である。組織において最も基本となる考えである。

成果を明確にすることは、無駄な仕事を減らす。何を目指すべきかがわかると、余計なコミュニケーションがなくても組織が一体になれる。

組織は多様性があるから強い。ダイバージェンスが昨今で注目されいるが、本来組織とは強みをかけ合わせるから意味がある。ダイバージェンスなんて当たり前である

組織で活躍するということは、自分の強みを活かすということである。誰でも出来る仕事でなく、限られた人しかこなせない仕事をすることで、個人の差別化となり、やがてそれが組織の差別化に繋がる。

そのためにも、他人に仕事を任せるようになったほうが良い。上手く手分けできる組織は強い。

あとは細かいテクニックとして、「大事な事に集中する」ことである。

成果がはっきりしていれば、仕事を選抜できる。しっかりと時間を確保して、成果に最も繋がる仕事に集中するべきである。これがマネジメントの本質であり、個人でもマネジメントはできる。

原因と結果の経済学

経済学と書いているが、データ分析に関する本。

テクニックに関する話はなく、因果と相関の違いについて一貫して書かれている。

データ分析では相関までしかわからない。そのために、反例探しと第三の変数を意識する。

例えば、ランダム性による相関であれば反例が現れる事になるし、思い込みによる相関も反例が発生する。ミスリードを防ぐためにも反例探しは重要である。

例えば、「良い学校に入れれば頭が良くなる」といった考えも、ランダム比較により全くの嘘であることがわかっている。

他にもよくある事例として、「〇〇の薬(食生活)で健康になる」というものである。

元々健康意識の高い人が参加するため、薬を摂取した人と一般人を比べると、良い結果が出ることが多い。これは、「健康志向な参加者」という第三の変数が影響してしまっている例である。

正直、ミスリードを防ぐのは非常に困難である。そのためにも、十分なデータの用意や反例探しは必須である。

優秀なデータアナリストとは、クリティカル・シンキングの上手い人を指すのかもしれない、とも思える本。

神・時間術

いかに集中力の高い時間を作るかにフォーカスした本。

まず前提として集中力は、朝が最も高くて夜になるにかけて徐々に下がっていく。そのため、最も重要なことは全て朝にやるべきである。

メール返信やニュースは夜に回して、論文執筆などを朝に持ってくるだけでも生産性は上がる。そもそもニュースを見る時間を読書に充てるだけでも、仕事の質が上がって生産性は上がる。

あとは集中力を復活させるテクニックとして、昼寝や運動がある。他には、場所を変えたり時間制限をつけたりして集中力を少し上げられる。

メンタルの状態も大事であり、夜寝る前にネガティブなことを考えないようにする。具体的にはSNSにその日良かったことを投稿するのが良い。あと、先の予定も脳のリソースを割くので、必ずカレンダーに追加する。

生産性を上げて、自分の本当に好きなことをやれる時間を手に入れよう。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

これからの時代は変化が大きいんだから、過去のデータに頼る「サイエンス戦略」は駄目だ!という本。

「美意識」というとアート的なものを想像しがちで、本書タイトルにもアートと記載があるが、実際は倫理観に近い。

まず海外の大学で倫理の講義があることやテストで自由記述が問われる問題の多さを挙げ、そのおかげで海外は柔軟な判断のできるエリートを育てられているという。事実ベースではあるものの、実際にそれが影響して成果が出ているのかは不明だが。

実際にハードスキル(暗記もの)よりもソフトスキル(コミュ力や倫理観)が成功と相関しているのは事実なので一理ある

学校教育のようにアップデートが激しくないものはソフトスキルで埋めるのもありだが、最新科学にキャッチアップできるならちゃんとサイエンスベースの知識でいいんじゃないかなぁとも感じる内容。

ストーリーとしての競争戦略

研究者が実用視点で、うまくいく会社の経営のやり方を解説した本。

一番キモとなるのが「その場対応ではなく、一貫した行動を取ること」である。

経営手法は正解がない。そのため、上手く行っている会社の真似をしたくなるが、それだけではうまくいかない。短期的な行動は会社の混乱の元となる。

重要なのは、最終的な消費者のライフスタイルに価値を提供することであり、企業の方向性はユーザー体験に寄り添う必要がある。そのため、理想として掲げたユーザー体験以外の要素は排除する。

その結果、戦略が明確になり、他社との差別化にもなる。

理念を掲げる際のポイントとしては、「意識の低い普通の消費者を想定すること」「一貫した方針を持つこと」「抽象と具体例を持つこと」の3つである。最後の抽象化によって、人に話したくなるストーリーが生まれることで、モチベーションが維持される。

現代のUXを意識したデジタル化ともマッチする内容。

月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト生活

YouTuberのミニマリストTakeruの初の書籍。

内容としては、ミニマリストを通した自己啓発本といった印象。ものを捨てるという話よりも、いかに自分が失敗してミニマリスト化で立ち直ったかについてフォーカスしている。

人間関係を減らしてストレスを減らしたり、支出を抑えて行動力を増やしたりといった話も入っている。

全体的に自己啓発部分が多く、「人生変わりました!」が聞きたいミニマリストを目指す人達のニーズに上手くマッチしてそう。

知識を操る超読書術

daigo本。読書で重要なのは、速読ではなく「読み方だ!」という本。

まず、本を読む目的を明確にして、それを書いたしおりを使う。こうすることでモチベーションが維持できるし、無駄なところを読み飛ばせる。

読んでいる最中は、関連性を掴むことを意識する。過去の本の内容でもいいし、日常的な事でも良い。自分の知識や経験と結びつくことで、知識は定着しやすくなる。

読み終わったらとにかくアウトプットする。コツはわかりやすく要約することである。自分なりの言葉にすることで、「使える知識」になる。

本の内容を覚えられたら、あとはたくさん読むだけである。数をこなせば読むのが速くなるし、難しい本も読める。着実に一冊ずつこなしていくしかないのである

やり抜く人の9つの習慣

重要と感じたものをピックアップ。
1. まず、数字や場所など目標に具体性を与える。
2. そして、進捗を記録する。結果に向き合って自分にフィードバックを与える。
3. 一日の判断回数を減らす。
4. 大事じゃないことはやめる。やめるときは一気にやめる。
5. やめたいことは、代わりの行動に置き換える。

がんばってるのになぜ僕らは豊かになれないのか

中国嫁日記の作者の経済本。多分三作目。結論は「みんなお金使おう」「政府はお金を使おう」なのだが、経緯が面白い。

日本が異常に「財政支出の黒字化」を狙っているせいで、不景気になっていると説明している。国の借金を減らすというと響きは良いが、実際の内容を理解すると非常に問題である。

「財政支出の黒字化」がなぜ悪いかというと、税金はほとんどが日本国内のやり取りで回収しているので、国が黒字化すると国民が赤字になる。つまり、投資や事業にお金を使えばどんどんお金が減るので、みんなお金を使わなくなり、経済が停滞する。

逆にお金を刷りすぎてインフレになるという意見もあるが、お金=税金支払いクーポンなので、税率を上げれば回収ができる。つまり、増税=インフレ対策となる。

じゃあ今の日本はというと、デフレ環境下で増税をするという状態になっており、「財政支出の黒字化」という呪いをとくことが豊かになる第一歩であるとのことである。

GACKT超思考術

自己啓発本。

gacktの本を何冊か読むとわかるのが、とにかく行動力が大事ということである。ただ、本人は明かさないが、事前にかなり勉強もしている。おそらく事前にその道のエキスパートと話をしていそうである。勉強→行動の繰り返しの結果、今の状態にまでなったのだろう。

意外と科学的根拠がある部分も多いので、ざっと見るには面白いかもしれない。

おわりに

最強の集中力-本当にやりたいことに没頭する技術-」と「不老長寿メソッド-死ぬまで若いは武器になる-」と「私たちは子どもに何ができるのか?」が個人的にはすごく良かったです。

劇的なニュースやそれっぽい理論が世の中で広まっている中で、本当に正しい情報をしれたというのはすごく貴重です。

上記3冊は、ざっくりいうと慢性的なストレスが問題であることを示しています。自分の価値観を定めて、嫌な環境から抜け出すことこそ幸せの第一歩であるということです。

すごく頭がスッキリして、価値観を定める大事さを再認識できた本でした。

ミスしても評価が高い人は何をしているのか?」は謝罪を整理してくれた本としてすごく優秀です。

今回紹介したBEST本はどれも非常に良かったので、買って後悔しないと思います。おすすめ。

2021年上期に読んでよかった実用書も紹介してます。下記からどうぞ。

読んで良かった技術書も紹介してます。下記からどうぞ。