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インダストリー4.0について解説(What’s Industry 4.0?)

テクノロジーに関する改革は度々メディアで話題になっており、スマホやスマートウォッチ、タブレットも一般的になってきました。そして、最近特に話題になっているのが、「IoT」つまりモノがITによって繋がる仕組みです。

スマホやPCだけではありません。最近では、スマートホームやスマートスピーカー等が当たり前になっており、モノ同士がつながる仕組みが当然になりつつあります。家電だけではなく、自動運転車やロボットもIoTの一つです。こう考えると、IoTはとんでもなく大きな市場に感じませんか?

特に、IoTは日本にとって重要な産業です。ものづくり大国と呼ばれた日本では、電子機器の入ってない機械、つまりアナログ製品が多数あります。これらをいかにネットワークに繋げられるかで、付加価値が大きく決まります。日本人こそIoTを知るべきなのです。

このIoTが特に進んでいるのが、工場です。ここで紹介するのは、これからの工場がどう変わっていくのか、つまりこれからの時代の産業は、どうなっていくのかについてです。

インダストリー4.0

インダストリー4.0とは、ドイツが政府主導で産官学連携で進めている、工場のIT化です。あらゆる産業間で調整を行い、通信規格を統一することで、お互いの機械を繋げやすくする取り組みです。目的は、効率化とデータ取得です。あらゆるデータを取得することで、まずは生産のボトルネックがわかります。そして、リアルタイムなデータを取得できるように慣れば、需要に応じた柔軟な対応ができるようになります。

インダストリー4.0によって大きく変わるのは、オーダーメイド化とアフターサービスの充実です。ここからはこの2つについて解説します。

オーダーメイド化の波

1つ目はオーダーメイド化です。

一度振り返ってみてください。世界中で今のような生産体制が始まったのはいつでしょうか?

皆さんご存知の「産業革命」ですね。大量生産大量消費の時代だったので、作っては捨てての繰り返しでどんどん経済が発展していきました。

今も根本的な部分は変わりません。多くのメーカーはいかにたくさん売るかを考えています。しかし、ここで時代とともに逆風となってきたのが環境問題です。

環境保護のために「環境に優しいものを!」「ゴミをなくそう!」という声が大きくなりました。パリ協定でのグレタさんの痛烈な大人への批判も記憶に新しいですね。最近では、SDGs(持続的開発目標)という、いかに環境に優しく産業を成長させるかが一つのトレンドとなっています。

そして、モノがたくさん売れなくなったときに来たのがオーダーメイド化の波です。それぞれの顧客にあった製品という価値を提供することにより、少数で高級なものを提供するようになってきたわけです。先進国の人口も減っており、経済格差も広がっていることを考えると、当然の結果かもしれません。

さらに、テクノロジーの発展もそれを後押しします。現代では、インターネットによる顧客データの収集もすぐに出来ますし、3DプリンタやNC旋盤など多機能な生産設備が多いため、顧客の声をすぐに生産設備に反映できます。つまり、インダストリー4.0によって工場がIT化することで、現代の顧客のニーズに合致した生産体制となるのです。

このような顧客の声と工場が繋がった状態が、1つ目のインダストリー4.0のオーダーメイド化になります。

センサーによる故障検知

2つ目は故障検知です。これは工場設備の故障検知もそうですが、メインは市場で使用されている製品のほうを指しています。

例えば、建設機械大手のコマツがわかりやすいです。コマツでは、市場に出した建設機械をコムトラックスというネットワークで管理しており、稼働率や稼働環境がわかるようになっています。

この監視システムによって、寿命に対してどのくらい使ってるのかわかるため、不調にすぐ気づくことができます。さらに、過去に集めた膨大なデータから、いつ故障しそうかが手にとるようにわかるようになるわけです。

建設機械というのは、仕事上必要な道具です。なので、壊れたらほぼ間違いなく新しいものを買うことになります。つまりコマツは、一度買ってもらった顧客をガッチリ捕まえて、他の建設機械に目移りする暇もない間に営業できるわけですね。

さらに、建設機械は高価で大きいため、在庫リスクが大きいです。たくさん作って倉庫に収めておくというのは現実的ではありせんので、コムトラックスとの相性はバッチリなわけです。ちなみに、コマツは顧客の稼働状況を把握しているので、使用頻度が低かったりした場合にもすぐ気づいてアドバイスすることができ、顧客とWin-Winの関係を築くことができています。

コムトラックスを例に説明しましたが、他には航空業界などでもセンサー活用による故障検知と生産システムの融合は進んでいます。建設機械や航空機のような壊れると損失の大きい大型機械が特に対象になりやすいです。他にも、風車など数えるとキリのないくらい様々な業界でニーズがあり、それぞれが大型機械なので、経済規模でいうととんでもなく大きな市場です。

そんなわけで、2つ目のインダストリー4.0は「センサーによる故障検知」でした。

おわりに

今回は、インダストリー4.0によって、オーダーメイド化センサーによる故障検知が進み、大きく市場が変わることをお話しました。市場も大きい上に、日本のようなものづくり大国にとってはとんでもなく大きな市場です。ぜひ頭に入れて、この大きなビッグウェーブに乗り遅れないようにしましょう。

また、工場だけでなくあらゆる製品でセンサーやインターネットといった他分野との融合は進んでいきます。今後はどこに向かっていくのか楽しみですね。

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