今回はCFDのオープンソースソフトウェアの一つであるBaziliskのインストール方法を紹介します。
Baziliskとは
BasiliskはフリーのCFDソフトウェアであり、CUI操作が必要ということもあって、かなりハイレベルです。ちょっとCFDに慣れてきたからといって、OpenFOAMと同じ感覚で触ろうとするとケガをします。
ただ研究目的として、しっかりCFDを勉強したいなら有力な選択肢となりえます。実際、Google Scholarでバジリスクを検索すると多くの論文がヒットします。
では「バジリスクとは何なのか?」の答えですが、サイトから説明文を引用すると下記のようになります。
Basilisk is also the name of a Free Software program for the solution of partial differential equations on adaptive Cartesian meshes.
バジリスクは、適応デカルトメッシュ上の偏微分方程式を解くためのフリーソフトウェアプログラムです。
http://basilisk.fr/
とまあ何を言っているかわからないと思いますが、重要なのは偏微分ソルバーであることです。ユーザーに最適化はされておらず、細かい部分は自分でやってねー的なニュアンスが含まれていると思われます。
インストール
インストールはLinuxで行ってください。Windowsではバジリスクは使えません。今回はWSL(Windows上でLinuxが使えるシステム)でも使えるように、Ubuntuの使用を想定しています。
もし別のLinuxOSを使用する場合は、apt-getを変更してください。
sudo apt-get install darcs flex make darcs get --lazy http://basilisk.fr/basilisk cd basilisk darcs pull
始めのsudo apt-getでdarcsとその他をインストールします。そして次の行で、バジリスクのサイトからソフトウェアをインストールしてきます。ここでかなり時間がかかるはずです。
インストールが終わったら、cdコマンドでバジリスクディレクトリに移動します。そして、darcsでバージョンを更新してください。ちなみにdarcsはバージョン管理システムです。
バジリスクはインストールするだけでは使えないので、コンパイルします。下記を入力してください。
cd src export BASILISK=$PWD export PATH=$PATH:$PWD ln -s config.gcc config make -k make
まず、srcのディレクトリに行きます。そして、環境変数をexportで追加します。その後のmakeはコンパイル作業です。
最後に動作確認をします。
qcc --version vi bump.c -lm ./a.out
qcc –version でバージョン確認ができます。最新バージョンか確認しましょう。
次に最小のプログラムを作成して、実行できるか確認します。bump.cの中身は下記のとおりです。
#include "saint-venant.h" int main(){ run(); }
実行ファイルa.outが作成されるので、./a.outで実行します。下記のような結果が得られれば成功です。
おわりに
今回はbasiliskのインストール方法について紹介しました。フリーのソフトウェアは色々あるので触ってみると面白いです。無料なので失敗してもダメージはありませんし。
Baziliskが難しければ、OpenFOAMから試してみてください。下記でOpenFOAMの解説もしています。
youtubeでCFDの解説もやってます。そちらも良ければどうぞ。