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ソフトマターの観察手法

コロイドや液晶、高分子をまとめてソフトマターと呼びます。

高分子を抜いた別名として超分子というくくり方もされますが、ここでは観察対象としてスケールが同じなので、ざっくりとソフトマターとしてくくります。

これらの材料は、単分子に比べてスケールが大きいため、観察手法が限られます。単分子はミクロスケールに対して、ソフトマターはメソスケールとなっており、ちょうどよい観察手法が必要となります。

また、空間スケール・時間スケールともに大きいため、分子動力学的に解析をするのも難しい領域です。

今回はこれらのメソスケールを観察する手法について紹介します。

1.顕微法

光学顕微鏡で1μmくらいのコロイドを見ることができます。

ただし、観察対象を真空にしないと見れないので、乾いた状態を観察することに注意が必要です。

電子顕微鏡はSEMとTEMが代表的です。

  • SEM(走査電子顕微鏡):電子ビームで表面の電子を出す手法
  • TEM(透過電子顕微鏡):バルクを数nmの薄片にして電子ビームを透過させる手法

2.散乱法

ここでは散乱法として3種類を紹介します。

  • 光散乱:表面から散乱した光を、小角光散乱(SALS)によって測定する
  • X線散乱:0.1nm程度の波長なので、可視光よりも細かいものが観察できる
  • 中性子散乱:X線散乱と同様のスケールであり、観察対象によりX線と使い分ける

3.分光的方法

ここでは分光により材料を観察する手法について紹介します。

分光法では、対象を可視化して観察するのではなく、材料特性を観察することになります。

  • 核磁気共鳴(NMR):原子核の共振を測ることで、化合物がわかる手法
  • 赤外分光法:分子振動を測定する最も一般的な測定法
  • 誘電分光法:電場による分子配向で分子の振動を見る手法。レオロジー測定に比べて高い振動数をカバーできる

4.表面構造測定法

原子間力顕微鏡(AFM):針と表面の斥力による針のふれを測定する手法

おわりに

今回はソフトマターの測定法について様々な手法を紹介しました。

理想としては実物を可視化することですが、メソスケールの観察は難しいため、物性の特性などの様々な情報から状態を観察することになります。

そのため、観察手法を組み合わせて状態を予想する必要があるため、様々な観察法を理解しておくと良いでしょう。