普段何気なく刺身を食べていると気づきませんが、生魚を食べるということはとてもリスクの大きいことです。ナマモノは痛みやすい上に寄生虫も繁殖しています。
そのリスクをちゃんと知り、家庭でも食中毒などの問題が起こらないようにするために、今回は、市販の刺し身ではどんな手順で刺身の下処理が行われているかということをお話ししたいと思います。
下処理について正しく知ることで、家庭で刺身を食べるときにどういった部分に気を付ければよいかがわかるはずです。
細菌と寄生虫
生魚を食べる時のリスクは細菌のリスクと寄生虫のリスクの大きく二つに分けられます。
ナマモノは傷みやすいと言われているのは基本的に細菌による劣化です。
寄生虫は魚を生で取ってきた状態でも繁殖している場合があります。私たちはマグロを生で食べますが、寄生虫の問題によって世の中には生で食べてはいけないマグロも存在します。
細菌
ナマモノは細菌が繁殖しやすいです。なので基本的に常温では置かないような処置が取られます。よって、日持ちさせるために冷蔵庫に入れたりといったことをします。
特に魚は時間が経つごとに鮮度がどんどん落ちていきます。その為、細心の注意が必要です。特に刺身に使われる魚は、素早く締めた後に氷と一緒に保存することで、細菌の繁殖を防いでいます。最近の繁殖を避けるポイントは、素早く冷やすことです。
さらに生産者によって化学的な検査が行われ鮮度も調査されています。普段の食事の裏側にこう言った細心の注意があるからこそ安全に刺身を食べられるわけです。
寄生虫
さらにその細菌よりも危険で繁殖力が高いのが寄生虫です。寄生虫を体に入れてしまうと、腸に大きなダメージがあります。具体的には、腸に穴が開き下痢や腹痛が止まらなくなります。恐ろしいですね。
寄生虫はテトも危険なので、細心の注意を払って死滅させる必要があります。最もよく使われる方法は「冷凍」です。-20度で保存することで、魚の中の細菌は死滅することがわかっています。つまり1回冷凍させてそのあと解凍したものを食べることで、安心して刺身を食べられるわけです。
例外として、普段生で食べているマグロはこういった処理をしなくても食べられます。クロマグロやキハダマグロなどのマグロは深くて冷たい海に住んでいるので、寄生虫が発生しないという特徴があります。つまり、自然が冷凍庫の代わりをしてくれているのです。
よってハワイなど衛生環境が少し不安な環境下で生のマグロを食べても、意外と問題なく食べられるわけです。ハワイの名物であるポキ丼は、冷たい海だからこその料理というわけですね。
おわりに
今回は細菌と寄生虫の話をしました。特に寄生虫に関してはあまり知られていない部分が多く、危険な割に処理を怠ってしまう場合が多いです。例えば肉だとローストビーフだったり魚だと刺身が店で出されているからといって、家でも簡単に作れて安心して食べられるわけではありません。
しっかりと細菌や寄生虫といったリスクを回避しつつ、安心して美味しいご飯を食べられるようにしましょう。