はじめてのC++プログラミング入門講座では、プログラミングをやったことのない人でも分かるように、C++について解説します。まずは、C++を知るところからはじめて、初心者がつまづきやすい「ポインタ」までをゴールとして進めていきます。全て無料で学べる内容となってますので、ぜひ最後までお付き合いください。
丁寧に学ぶをモットーに、ひとつずつじっくりと理解しけるように解説します。はじめは少し退屈かもしれませんが、基礎を身に着けておくと、後が楽になります。また、プログラミング学習でよくあるのが、飛ばしすぎて途中で挫折してしまうことです。続けさえすれば力になります。じっくりゆっくり学んでいきましょう。
第1回では、Visual Studioの環境構築について解説しました。下記からどうぞ。
環境構築に加えて、C++とVisual Studioについても説明しました。重要な項目は下記の通りです。
- C++はC言語の進化版
- C++はC言語で書いたプログラムがそのまま使える
- Visual StudioはIDEと呼ばれる統合開発環境である
- Visual Studioはエディタとビルドの機能が備わっている
最初のコード
プログラミングを勉強するときに一番はじめにやるべきことは何でしょう?
それは、画面に文字を出すことです。画面に文字を出すことで、プログラム内で何が起こっているのかわかりやすくなるので、今後の勉強全てに役に立つからです。一般的に、「Hello World」と画面に出すのが一番はじめのステップとされています。簡単に思えるかもしれません。しかし実は、たったそれだけのプログラムでも、大事な要素がたくさん含まれているのです。
一般的には、講義の内容に関係のない部分や変更の少ない部分は「おまじない」といった表現がされます。「おまじない」とはつまり、「何かよくわからないけど、必要だから入れる。詳細は気にせず先に進める」ということです。
しかし、わからないことをわからないままにして進めてしまうと挫折しやすくなります。そこで、この講座では細かい部分まで全て説明します。その理由は、多少大変でも疑問をなくして進めたいからです。この講座ではそんな思いから、短いコードでもじっくり観察し、一歩ずつ理解を進めていきます。
今回説明するコードの全体像です。これを実行すると画面にHello World!
の文字列が現れます。
#include <iostream>
int main(){
std::cout << "Hello World!\n";
}
ライブラリ
焦らず、一行ずつ順番に解説していきます。
#include <iostream>
#include
によってライブラリというものを使えるようにします。ライブラリとは、誰かが用意してくれたコードのことです。数学用やWeb用など様々なライブラリがあり、ここではiostream
という入出力に関する標準ライブラリを使用します。ライブラリはネットで誰かが作成したものを拾ってくることもできますが、基本的な機能に関しては、標準ライブラリという形で既にインストールされています。今回使うのは標準ライブラリなので、既に用意されているものを使用します。
メイン関数
int main(){
}
int main(){}
はメイン関数と呼ばれます。その名前からも分かる通り、main()
が本体です。{ }
で囲まれた部分が実際に実行される部分になります。これより外側のコードは、ライブラリの追加に使用したり、メイン関数で使用したい機能を準備しておくといった目的で使われます。また、main()
の前についているint
という文字は、整数型というものを表します。今後しっかり説明するので、詳細はここで覚えておく必要はありません。具体的な機能としては、実行が成功したか失敗したかを1か0を返すことで分かるようにしてくれています。
画面出力
std::cout << "Hello World!\n";
メイン関数に囲まれている部分なので、ここが実際に実行されている部分です。まずcout <<
というのが、今回使えるようにしたiostream
という標準ライブラリの中の機能の一つで、画面出力を行うコードです。cout <<
の右側に書かれたコードを画面に出力してくれます。左側に書かれているstd::
は、標準ライブラリの中のコードであることを表しています。stdはスタンダードの略です。つまり、標準ライブラリ内の画面出力という機能を使うには、std::cout <<
のような形で書く必要があります。
次に、画面出力部分です。"Hello World!\n"
のようにダブルクォーテーション(”)で囲むことで、文字列を表すことができます。今回は、Hello World
という英語で書いていますが、”こんにちは”などの日本語を書いてもそのまま表示されます。後ろについている\n
というのは、特殊な文字列を意味しています。ここでは、\n
は改行を意味しています。
\
は文字列の中で使うと、特殊な役割をすると覚えておきましょう。今後も改行は良く出てくるので、慣れると思います。
おわりに
今回はC++の画面出力について解説しました。画面出力はすべての基本となる知識です。今後もガンガン使っていくので理解しておきましょう。
また、プログラムの全体像を見たときに拒否反応が出ないようにするのも大事です。今回は短いプログラムですが、ほとんどの部分が使い回されます。もし今後プログラムが長くなって拒否反応が出たときは、初心に戻って学びなおしましょう。
重要な項目は下記の通りです。
- #include はライブラリを使えるようにする
- <Iostream> は入出力に関する標準ライブラリ
- int main(){ } はメイン関数
- プログラムの実行とは、メイン関数内を実行することを意味する
- 標準ライブラリのメソッドを使うときは頭にstd::をつける
- プログラムの行の末尾にはセミコロン(;)をつける
- 画面出力にはcoutを使う
- ダブルクォーテーション(”)で囲むと文字列として認識される
- 文字列内に特殊な文字列(\nなど)を入れることで特殊な文字を表せる
- \n は改行を表す
今回紹介したのは短いプログラムですが、非常に重要な部分が詰まっています。一つ一つをじっくり丁寧に理解しましょう。
次回は変数・型・演算子について解説します。下記からどうぞ。
youtube動画でも解説しています。詰まったらこちらもどうぞ。