現在のアマゾンの成長は著しいものです。GAFAと呼ばれるGoogle・amazon・Facebook・appleの中でも一際成長率の高い企業となっています。
どん底から急成長
一昔前は営業利益率が低かったため、企業として優れていないと判断されていました。しかし最近では、周囲の意見が180°変わっています。現在は、営業利益率が低くなるほどに設備投資を続けている姿勢がイノベーティブであるというような評価を受けています。
その結果、2015~2018年の間では、GAFAの他の企業が2倍成長したのに対して、アマゾンは4倍成長しています。
それもそのはず、アマゾンは毎年数億円を投資に回しており、どんどん企業のスケールを大きくしているからです。元々は本のネット販売だけだったのが、今や服から生鮮食品まで扱っており、物流や倉庫内のロボットでさえも自社で管理しています。
今回は、こんなアマゾンが急成長した時期から振り返って、何が成功のきっかけだったのかについて考えていきたいと思います。
ECサイトの強みで他社を圧倒
先ほども話したように、アマゾンは本の通販から始めることで大きくなりました。本を扱っていた理由は単純で、「腐らないから」です。本は中身が一番大事で、購入に踏み切るうえで表紙が一番大事なので、ネット通販において一番合理的であるといえます。
結果的にアマゾンは急速に発展していき、当時アメリカ第二位のシェアだった書籍チェーンである「ボーダーズ」は今や倒産しています。これは書籍に限ったことではありません、他の業界でも同じことが起きています。
おもちゃ業界も同じ道をたどっています。トイザらスの倒産はまだ記憶に新しいでしょう。実はトイザらスはネット販売にも力を入れており、2000年にアマゾンと専売契約を結んでいました。アマゾンに並ぶおもちゃは全てトイザらスのものしかないという状態が出来上がっていたのです。ではなぜ倒産したのか。
問題は商品数にありました。商品数の少なさから、アマゾンが他店の商品も並べ始めたのです。おそらくECサイトの強みである、無限の商品数を制限されるのが嫌だったのでしょう。
その結果、トイザらスが契約破棄をしました。そして、2006年からトイザらスは独自サイトを立ち上げ、ネット通販を始めました。しかし、時すでに遅し。すでにアマゾンに奪われた顧客は取り戻すことができず、2017年に倒産しました。
アマゾンの支配
他社の倒産を含んだ、アマゾンによる大きな影響を「アマゾンエフェクト」と呼びます。アマゾンが急成長するたびに、どこかの業界がつぶれていきます。それは、書籍・おもちゃ屋だけには留まりません。今はサーバや食品すらも扱っていますから、どの業界が影響を受けるかわかりません。アメリカの企業のうち、株価が駄々下がりしている企業とアマゾンの市場が被っていることは偶然ではないでしょう。
一方でアマゾンは「地球上で最もお客様を大切にする企業」というスローガンを掲げています。事実、生活は豊かになっていますし、アマゾンのない生活はもう考えられないでしょう。
おわりに
今後、企業をつぶして消費者を豊かにしていくアマゾンが大きくなっていくことでどのように世の中は変わるのでしょうか?そして、シェアを独占した後にアマゾンはどのような行動に出るのでしょうか?
参考:amazon 世界最先端の戦略がわかる 成毛眞